タグ「s100」を含む投稿[4件]
#s100 小ネタ:魔法使いが戻ってきた後の三人
「いいなぁ」
「何がだ?」
「ニケくんと一番長い間一緒に過ごしたの、レイドなんだもの」
「あのなククリ、別にずっと一緒にいたわけじゃないぞ」
「なんだ、それなら、魔族になればいい」
「オレはなれないって、お前が……ってアレ、言わなかったっけ?」
「……コイツが無理でも、お前が魔族になって生き続けるなら、その分同じ時間を過ごせるだろ、お前が生きてる限り死なない、なんだから」
「あ!そっか」
「今なら人間と魔族に確執は殆どないしな。その気があるなら、いつでも案内してやる」
「……」
「なんだ、やっぱり魔族『なんか』にするのは嫌か?」
「いや?ククリがいいならいいよ。ただ、そしたらお前より長生きすんのかな~って、思っただけ」
「……おま、それは卑怯だぞ」
「ハァ?何が?」
「あー!ズルい!もう、ニヤニヤしないで!」
「し、してない」
「嘘~!してた!」
「???なんだよ、二人で」畳む
「いいなぁ」
「何がだ?」
「ニケくんと一番長い間一緒に過ごしたの、レイドなんだもの」
「あのなククリ、別にずっと一緒にいたわけじゃないぞ」
「なんだ、それなら、魔族になればいい」
「オレはなれないって、お前が……ってアレ、言わなかったっけ?」
「……コイツが無理でも、お前が魔族になって生き続けるなら、その分同じ時間を過ごせるだろ、お前が生きてる限り死なない、なんだから」
「あ!そっか」
「今なら人間と魔族に確執は殆どないしな。その気があるなら、いつでも案内してやる」
「……」
「なんだ、やっぱり魔族『なんか』にするのは嫌か?」
「いや?ククリがいいならいいよ。ただ、そしたらお前より長生きすんのかな~って、思っただけ」
「……おま、それは卑怯だぞ」
「ハァ?何が?」
「あー!ズルい!もう、ニヤニヤしないで!」
「し、してない」
「嘘~!してた!」
「???なんだよ、二人で」畳む
#s100 数百年サルベージ
名も無い水夫と勇者が再開した話
ずっと、気にかけていることがある。
私は若い頃、冒険を求めて、船乗りをしていた。
そんなある日、私は一人の少年に出会った。
彼は自分たちの船に忍び込んだ密航者だった。
船長はずいぶんと痩せていた少年を哀れみ、次の港まで船で働くことを条件に、彼を許した。
彼は話してみれば気の良い少年で、すぐに仲間達に馴染んだが、誰が事情を聞いても、うまくはぐらかして、頑なに口を開かなかった。その時に見せた、真夜中の海のような、昏い瞳が、忘れられない。
彼は、元気でいるだろうか。どこかで、幸せを見つけただろうか。
「三十年……いや、もっと前か。ふふ、お前さん、背は伸びなかったみたいだがなぁ、ずいぶんと、顔が明るくなった」
もう殆ど視力のない父にそう言われた少年は、困ったように笑ったが、己の頬に触れる枯れた指を振り払うようなことはしなかった。そして、ぽつりと言った。
「そんなこと、わかるのかよ」
その言葉を聞いた父は、まるで古ぼけた写真の中の水夫のように、ニカッと笑ったのだ。
「わかるさ、お前のことは、よぉく、覚えてるからな。良かったなぁ、俺に帰る場所ができたように、お前にも、寄る辺が、できたんだな」
それから父は、ぽつりぽつりと『彼』と別れてからの自分の話を始めた。少年はそれを聞きながら、時折うん、うん、と相づちを打っていた。邪魔をしてはいけないような気がして、私は席を外した。
日が傾きかけた頃、少年が部屋から出てきて、私に言った。
「爺さん、話疲れたみたいで、寝ちゃったよ」
「……ありがとう、話を合わせてくれて。ねぇ、君、もし行くところがないのなら、うちにいてくれないかしら、父も喜ぶわ」
私の言葉に、少年は、オレ、まだ旅の途中なんだと、静かに首を横に振った。そして、爺さんに伝えておいて、と大人びた顔で笑った。
「覚えてくれてる人がいて嬉しかった。どうか元気で」
名も無い水夫と勇者が再開した話
ずっと、気にかけていることがある。
私は若い頃、冒険を求めて、船乗りをしていた。
そんなある日、私は一人の少年に出会った。
彼は自分たちの船に忍び込んだ密航者だった。
船長はずいぶんと痩せていた少年を哀れみ、次の港まで船で働くことを条件に、彼を許した。
彼は話してみれば気の良い少年で、すぐに仲間達に馴染んだが、誰が事情を聞いても、うまくはぐらかして、頑なに口を開かなかった。その時に見せた、真夜中の海のような、昏い瞳が、忘れられない。
彼は、元気でいるだろうか。どこかで、幸せを見つけただろうか。
「三十年……いや、もっと前か。ふふ、お前さん、背は伸びなかったみたいだがなぁ、ずいぶんと、顔が明るくなった」
もう殆ど視力のない父にそう言われた少年は、困ったように笑ったが、己の頬に触れる枯れた指を振り払うようなことはしなかった。そして、ぽつりと言った。
「そんなこと、わかるのかよ」
その言葉を聞いた父は、まるで古ぼけた写真の中の水夫のように、ニカッと笑ったのだ。
「わかるさ、お前のことは、よぉく、覚えてるからな。良かったなぁ、俺に帰る場所ができたように、お前にも、寄る辺が、できたんだな」
それから父は、ぽつりぽつりと『彼』と別れてからの自分の話を始めた。少年はそれを聞きながら、時折うん、うん、と相づちを打っていた。邪魔をしてはいけないような気がして、私は席を外した。
日が傾きかけた頃、少年が部屋から出てきて、私に言った。
「爺さん、話疲れたみたいで、寝ちゃったよ」
「……ありがとう、話を合わせてくれて。ねぇ、君、もし行くところがないのなら、うちにいてくれないかしら、父も喜ぶわ」
私の言葉に、少年は、オレ、まだ旅の途中なんだと、静かに首を横に振った。そして、爺さんに伝えておいて、と大人びた顔で笑った。
「覚えてくれてる人がいて嬉しかった。どうか元気で」
#女性向け #s100
1.魔族が人間の寿命を超えるにはエレジー(ここでは生命力、魔力で代用可能)を食べる必要があるけど今の世界で人を襲うわけにもいかないし……というわけで一悶着の末に都合よく不死者の彼から貰ってる(首が一番取りやすい)
2.なんかこっぱずかしいので指先から取れるんじゃないかと提案
3.お前は喉が渇いて死にそうな時に細いストローで水が飲めるか?って却下される
の3が書きたかったんですがそこまでが耽美すぎる(当アカウント比)ので供養
→結局一悶着のとこだけ書いた
1.魔族が人間の寿命を超えるにはエレジー(ここでは生命力、魔力で代用可能)を食べる必要があるけど今の世界で人を襲うわけにもいかないし……というわけで一悶着の末に都合よく不死者の彼から貰ってる(首が一番取りやすい)
2.なんかこっぱずかしいので指先から取れるんじゃないかと提案
3.お前は喉が渇いて死にそうな時に細いストローで水が飲めるか?って却下される
の3が書きたかったんですがそこまでが耽美すぎる(当アカウント比)ので供養
→結局一悶着のとこだけ書いた
数百年勇者 #s100